QLTS

QLTS OSCE(実技試験)攻略法

1 試験概要(おさらい)

過去の記事でも書きましたが,OSCE(Objective Structured Clinical Examination)の試験科目は,①ビジネス法,②財産法・相続法,③民事訴訟・刑事訴訟(細かく5つ)です。

試験は大きく,口頭実技と書面作成(PCベース)の2つです。

口頭実技(Part 1)については,次の3の課題について上記①~③それぞれを,各1日ずつ,計3日間です。

  • Client Interview(クライアント(役者)との法律相談,必要事項の聴取,その場での暫定回答):10分の準備,25分のインタビュー
  • Attendance Note(面談後に,聴取内容メモ,法律問題についての検討結果,今後の課題等のメモ作成):インタビュー後に25分のノート作成
  • Advocacy/Presentation(訴訟については裁判官との法廷でのやり取り(弁論),それ以外の科目ではクライアント役(ソリシタ)の人に向かって,回答内容のプレゼン):40分の準備,20分の本番

各日,半日拘束されますが,休憩時間にコーヒー・紅茶・クッキー等が楽しめ,受験生と和気あいあいと話す時間があります。
ただ,私は試験中に過去の試験を振り返るのは大嫌いなので,アジアンメンの王道をいく感じで,1人精神を研ぎ澄ましていました。


書面作成(Part 2)については,次の3の課題について上記①~③それぞれを,各1日ずつ,計3日間です。

  • Legal Research(判例・文献検索ソフト等を使って,法律問題について回答):60分
  • Legal Drafting(雛形が与えられて,訴訟書類,会社関係の議事録,契約書の特約条項等の作成):45分
  • Legal Writing(依頼者宛ての回答メールの作成):30分

Part1と違い,Part2では,会場からは一切の便宜供与はありません。水は試験会場に持込可,食べ物は待合室に持込可です。


初回受験のときは,上記3種類の試験の各合間に待合室で20分ずつくらい待たされて,クッキーを食べたり,栄養ドリンクを飲んだり,他の受験生とあーだこーだ言う時間がありました。
他方,二回目の受験時は,上記3種類の試験をぶっ通しです。私のようにタンク(膀胱)がミニの人は,朝から水を抜かないといけないので,かなり厳しいですが(試験時間中のみトイレ可),早く終われるので,翌日の試験に備えられていいというメリットもあります。

2 予備校

テキスト

私が先輩受験生からアドバイスをもらった際には,予備校は不要とのことでしたが,人によると思います。

まず,柱となる5科目(①ビジネス法,②財産法・相続法,③民事訴訟・刑事訴訟)のテキストを買い揃えるところからスタートです。これらは基本的に予備校では配布されないと思います。

テキスト情報は,ここに載っているもので十分かと思います。
https://qltsosce.co.uk/qlts-osce-books-and-study-materials

CLP派とOUP派に分かれますが,内容は大差ないので,好きな方でいいでしょう。予備校の指定教材次第というところもあります。

ご参考までに,私が買ったのは次の赤枠で囲んだ本です。

初回受験 w/OSCEsmart

私は,初回受験のときは,

・OSCEsmartのバジェットパック

二回目受験のときは,

・BarbriのOSCEパック

を受講しました。

初回のときは,LLMの期末試験5科目と試験日程がかぶってしまい,とてもとてもOSCE対策に取る時間がない中で,最低限の対策を,と思い,OSCEsmartの簡単なパックをとりました。
このよかったところは,ドSでショートカットのOlga先生(ツンデレ)が,各5科目について各5~10回くらいの講義と資料で講義をしてくれたのが,かなり役立ちました。
加えて,フォーマット系も揃っており,コース次第では模試も充実しているので,かなりいいと思います。
強いていうなら,模試の数が少ないことと,小規模経営による洗練さの不十分さあたりでしょうか。。。

初回は,私は不合格となりましたが,ここで基礎力を鍛えたことが,二回目受験での合格に繋がったと言えます。

二回目受験 w/Barbri

一念発起して合格を狙った頃,OSCEsmartは既にコース定員オーバーと言われたこともあり,BarbriとQLTS Advantageの二択に絞りました(QLTS Schoolは営業のゴリ押しと中身の対応の不十分さとのギャップにより除外)。

初回OSCE受験(2019年6月頭)から3か月待たないと合否が出ないが,おそらく落ちていると思った私は,2か月を経過した8月中旬くらいから予備校探しを開始しました。
そのとき,BarbriとQLTS Advantageに話を聞きたいと連絡したところ,

・Barbri:神対応,仮に1回目で合格してたら全額返金OK
・QLTS Advantage:ほとんど無視

という全く異なる対応を受け,Barbriに決定(ただし,その後の研修先の合格者に聞くと,QLTS Advantageの方が多数派でした。。。)。

Barbiのコースは,十分な模試量とチューターによる採点・実技模試がかなり良かったです。
私のチューターのDanは,さほどお世辞がうまいわけではないソリシタでしたので,彼のコメントは額面通り受け止めていました。最後の方で,Kazは当落選上にいるからそのまま頑張ればチャンスあるよ,と言ってくれたことが素直に嬉しかったなぁ。。。

3 実際の対策

初回受験のときはLLMの試験が手一杯だったので,二回目受験の方に力点を置きます。

さて,本来は,上記写真の赤枠の本を全部読み込むところが受験生のスタート地点であることは言うまでもありません。大多数の受験生が口をそろえてそう言います。

ただし,私には,時間がなかったこと(2019年9月中旬から勉強再開して11月の受験,その間,フルタイムで法律事務所等で研修)と英語を読み続けると眠くなる奇病(?)のせいで,これは無理だと悟りました。

そこで,得意の「コアに絞る」という作成に移行しました(前回のMCT対策の記事参照)。

では,何がOSCEのコアか?

一つは,上記写真にある「LPC Handbook」です。かなりコンパクトです。

もう一つは,過去の好成績合格者Heba大先生のクラスです(Barbri,OSCEsmartとは別)。
https://www.preptackle.com/

このクラスは,1回5,000円くらいで全15回ほどありましたが,全部に出て,Heba先生特製の資料をゲットしました(各科目50ページほどにまとめられたもの)。

私の中では,

・OSCEsmartのドSのOlga先生まとめ資料

・Heba大先生のまとめ資料

・LPC handbook

の3つが手元に揃ったので,これらをざっと目を通すとともに,Barbriの模試内容も踏まえ,本当のコアを見つけ出し,後はひたすら回す,という作業モードに入りました。

なお,私の獲得点数は,合格点と同じ,つまりギリギリ合格だったので,全く自慢できるものではないです。

ただ,他のEU出身の受験生が最低1年はかかるというOSCE対策において,約2か月(+初回受験時にLLM受験と同時並行で更に2か月)だけで合格したという意味では,省エネ合格者ランクでは上位に行くのかと思います。

この記事は自身の人生の備忘のためにつけている側面もありますが,もしニーズがあれば,より踏み込んだ内容もアップしようと思うので,Twitterやお問い合わせフォームから具体的なご意見等いただければと思います。